自分でアルバイトなどをしてお金を稼ぐ様になった頃には、今程は遊興施設やチェーン店が無く友人と集まると言えは個人経営店がほとんどでした。
幼い頃は喫茶店は不良学生の行く所などとイメージした時代もあったのですが、いざ自分が行く頃には居心地も良く友人達と入り浸っていました。
周りを見ればサラリーマンが昼食をとり、昼食時が過ぎれば主婦の方が家事の隙間にひと息ついて学生連中が遊ぶ計画をねり、
夕方頃は近所のご隠居様方が1日の終わりにのんびりと珈琲を楽しむ。
喫茶店の珈琲は当時1杯250円前後だったのであらゆる世代の人が良くも悪くも忙しい日々の隙間に1杯の珈琲を楽しめる、その様なゆったりとした空間がある事に浪漫を感じていました。
そんな思い出があったので当店は開店当初珈琲1杯300円でした、この値段は30年珈琲豆の卸売り業を続けその事業を息子に継がせたから出来る贅沢ですが、コロナ禍後の物価高騰の時期に常連の方に「潰れられても困るからそろそろ値上げやな」と言ってくださったので今は350円です、もう少し体の動く内は自分の中の浪漫ある場所を守れたら良いなと思います。